賃貸
賃貸に住んで分かった「ここは不便だった」10選
賃貸住宅に7軒住み、元不動産賃貸仲介営業でもある筆者が、住んでから気づいた不便10選を紹介。収納、キッチン、脱衣所、駐車場、騒音、ゴミ捨て場、初期費用や退去費用など、内見・契約前に確認したいポイントを解説します。
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賃貸物件を探していると、
「駅から近い」
「家賃が安い」
「築浅」
「バス・トイレ別」
「2階以上」
など、条件をチェックしながら物件を絞っていくと思います。
でも実際に住んでみると、
内見だけでは気づかなかった不便
が出てくることがあります。
私はこれまで賃貸住宅に7軒住みました。
さらに以前は、不動産賃貸仲介の営業職として、賃貸物件を探すお客様への案内や契約にも関わっていました。
その経験から感じるのは、
賃貸物件は「条件表に○が付いているか」だけでは分からない
ということです。
この記事では、実際に住んで不便だったことや、賃貸仲介営業をしていたときに感じた盲点を10個紹介します。
賃貸で住んでから気づきやすい不便10選
先に一覧です。
- 1K・ワンルームは収納が足りない
- キッチンが想像以上に狭い
- 独立洗面台がないと意外と不便
- 脱衣所が狭すぎる
- 駐車場が物件内に確保できない
- 最上階は夏場かなり暑くなることがある
- ゴミ捨て場は住民の使い方に左右される
- 上下左右の住人は住むまで分からない
- 「家賃が安い」だけでは総額が分からない
- 設備・初期費用・退去費用は契約前に確認する
順番に見ていきます。
1.1K・ワンルームは収納が足りない
一人暮らしで住んだ1Kやワンルームでは、収納の少なさを感じることが何度もありました。
6畳程度の居室だと、クローゼット自体も小さい物件があります。
入居前は、
「一人暮らしだからこれくらいで十分だろう」
と思っても、実際に生活すると、
- 服
- 季節物
- 布団
- 掃除用品
- スーツケース
- 日用品のストック
など、物はどんどん増えます。
そして収納に入らなければ、居室へ置くことになります。
すると、
6畳あるはずの部屋が、家具と荷物でどんどん狭くなる。
これは一人暮らし用物件で何度も感じました。
内見では部屋の広さだけではなく、
クローゼットを実際に開けて、自分の荷物が入りそうか
まで確認した方がいいです。
2.キッチンが想像以上に狭い
一人暮らし向けの賃貸住宅では、キッチンがかなりコンパクトな物件もあります。
特に、
- まな板を置く場所がない
- 調理家電を置く場所がない
- 食器を収納する場所が少ない
となると、自炊する人にはかなり不便です。
私は賃貸仲介営業もしていましたが、最近の物件なら必要十分なキッチンを備えたものもあります。
ただし当然、
設備や広さが良くなれば家賃条件も変わります。
「キッチンあり」だけで判断せず、
実際に料理するなら、
まな板をどこに置くか、電子レンジや炊飯器をどこに置くか
までイメージした方がいいです。
3.独立洗面台がないと意外と不便
私は風呂とトイレが一緒になった3点ユニットバスが好きではなかったので、住んできた物件は基本的にバス・トイレ別を選んでいました。
ただ、家賃を抑えた物件では、
バス・トイレは別でも独立洗面台がない
ことがあります。
浴室の中に洗面台が付いているタイプです。
私はそういう部屋に住んでいたとき、
- 歯磨き後に口をすすぐ
- 洗顔する
といったことをキッチンでやっていました。
生活できないほど困るわけではありません。
でも毎日のことなので、
独立洗面台があるだけでかなり楽だっただろうな
とは思います。
物件検索では「バス・トイレ別」だけで満足せず、
独立洗面台の有無も別に確認
した方がいいです。
国土交通省が整理している賃貸住宅の検索条件でも、「バス・トイレ別」と「洗面所独立」は別々の条件として扱われています。
4.脱衣所が狭すぎる
最後に住んだ賃貸住宅は2LDKでした。
当時としては内装も比較的新しく、家賃も手頃。
全体としては悪くない物件でした。
ただ、一つどうしても気になったのが、
脱衣所がめちゃくちゃ狭い。
洗面所、浴室、トイレが近い位置へ集まっていたためか、脱衣スペースがかなりコンパクトでした。
さらに困ったのがドアです。
狭い脱衣所なのに、ドアが脱衣所側へ開く仕様。
そのため出入りするとき、
ドアを閉めようとして自分の体を挟みそうになる。
間取り図では、
「洗面所あり」
「浴室あり」
としか見えません。
でも実際の使いやすさは、
人が立った状態でドアを開閉できるか
まで見ないと分かりません。
これは内見時に実際にドアを開け閉めしてみる価値があります。
5.駐車場が物件内に確保できない
車を持っている人なら、これはかなり重要です。
賃貸物件によっては、
部屋数と同じだけ駐車場が用意されていない
ことがあります。
満室に近くなると、
「部屋は空いているけれど駐車場が空いていない」
ということもあります。
私は賃貸仲介営業時代、これでかなり苦労しました。
お客様の希望条件にぴったり合う物件が見つかった。
ところが、
駐車場だけ空いていない。
それだけで物件を諦めるお客様もいました。
「近隣駐車場でも近ければOK」
という場合には、周辺の月極駐車場へ片っ端から電話して、
- 空き
- 月額
- 初期費用
- 物件からの距離
を確認したこともあります。
車を持っているなら、
「駐車場あり」ではなく、自分が入居するとき実際に空きがあるか
まで確認してください。
6.2階建てアパートの2階は夏場かなり暑かった
これは私が実際に住んで感じたことです。
2階建てアパートの2階。
真夏にエアコンを付けずに帰宅すると、
本当に体が溶けそうなくらい暑い(笑)。
もちろんエアコンを付ければ生活できます。
また、暑さは、
- 建物構造
- 断熱性能
- 方角
- 日当たり
- 屋根
- 地域
などによって違うため、
「2階なら必ず暑い」
とは言えません。
ただ、
最上階・日当たり良好=メリットだけではない
というのは覚えておいてもいいと思います。
内見が春や秋なら、真夏の室温までは分かりません。
7.ゴミ捨て場は住民の使い方に左右される
物件そのものが良くても、共用部分の使われ方は住民によって変わります。
私が住んだ物件では、
- 分別を守らない
- ネットをしっかり掛けない
- カラスに荒らされる
といったゴミ捨て場もありました。
特に家賃が比較的安い物件や、私自身があまり環境が良くないと感じたエリアでは、ゴミ捨てマナーが気になることもありました。
ただし、
家賃が安い物件ほどマナーが悪い
と一般化することはできません。
あくまで私が住んだ物件での経験です。
さらに昔、社会人1年目に住んだ物件では、かなり印象的なことがありました。
分別していなかったり、曜日を間違えて出したゴミがあると、
誰かがゴミステーションから取り出して、
建物のエントランス付近へ戻してくる。
大家さんだったのか近隣住民だったのかは確認できません。
当時は、
「そこまでチェックするのか!」
と驚きました(笑)。
内見時には、
ゴミ捨て場が荒れていないか
を見るだけでも、その物件での生活を想像する材料になります。
8.上下左右の住人は住むまで分からない
これは賃貸の難しいところです。
以前の記事でも書きましたが、私はアパート暮らしで下階の騒音にかなり悩まされた経験があります。
ただ、騒音以外にも、
住人の生活習慣は内見だけでは分かりません。
たとえばバルコニー。
隣の住人がバルコニーで喫煙すると、窓を開けていると煙が入ってくることがあります。
物件によっては契約書や使用細則などで喫煙を禁止・制限している場合もあります。
だから、
「隣にどんな人が住んでいるか」
を完全に把握することは難しくても、
- 共用部が荒れていないか
- 廊下に私物が大量に置かれていないか
- ゴミ捨て場
- 駐車場
- 掲示板に騒音などの注意文がないか
などを見ることはできます。
それでも住民の“当たり外れ”を完全に見抜くことはできません。
ここは賃貸住宅の難しい部分だと思います。
9.「家賃が安い」だけでは総額が分からない
賃貸仲介営業をしていたとき、よく問い合わせが来る物件がありました。
外観がおしゃれなタワー型の賃貸マンション。
見た目に対して、
家賃だけを見るとかなり安い。
そのため、
「この金額でここに住めるんですか?」
という問い合わせが結構ありました。
ただ、その物件には特徴がありました。
建物全体でお湯を供給するセントラル給湯方式で、
- 水道関係の料金
- 給湯に関する基本料金
- 使用量に応じた料金
などが家賃とは別に発生し、管理側からまとめて請求される仕組みでした。
料金体系も一般的なガス契約とは違いました。
そのため、
家賃だけ見ると安く見えても、毎月支払う総額で見ると印象が変わる。
営業としてはそこを説明する必要がありましたが、仕組みが少し複雑で、お客様に理解してもらうのもなかなか大変でした。
この経験から、
賃貸は家賃だけで比較しない
ことをおすすめします。
最低でも、
- 家賃
- 管理費・共益費
- 駐車場
- 水道・給湯等の特殊な料金
- その他毎月必ず発生する費用
まで確認した方がいいです。
10.設備・初期費用・退去費用は契約前に確認する
ここは元賃貸仲介営業として、かなり重要だと思っています。
エアコンは「付いている」だけで判断しない
内見するとエアコンが付いている。
普通なら、
「エアコン付き物件だ」
と思います。
でも重要なのは、
そのエアコンが契約上どのような扱いになっているか
です。
貸主側の設備として扱われるものなのか。
以前の入居者などが残していったものとして別の扱いになっているのか。
故障した場合に誰がどのように対応する契約なのか。
これはエアコンが壁に付いているのを見ただけでは分かりません。
私が営業していたころは、こうした点もできるだけ説明するようにしていました。
契約上の修繕負担は個別の契約内容によって異なるため、
「エアコンがある=故障したら必ず貸主が無料修理してくれる」
とは決めつけない方がいいです。
国土交通省も、賃貸借契約では契約書へ署名する前に契約内容を確認し、設備の使用や修繕、費用負担など不明点を確認することを案内しています。
初期費用は項目ごとに見る
今、私が賃貸住宅を探すなら、最初の見積書はかなり細かく見ます。
特に、
- 消毒・除菌関係
- 24時間サポート
- その他サービス
などです。
重要なのは、
「この項目は今回の契約で必須なのか」
を確認すること。
貸主や管理会社側の契約条件として必須の場合もあれば、サービスの内容や加入条件は物件・会社ごとに異なります。
だから、
「これは絶対いらない費用」
と一律には言えません。
私は、
見積書に書いてあるから全部そのまま払うのではなく、一つずつ何の費用なのか確認する
ようにします。
退去時の費用も入居前に見る
退去するときになって初めて、
「クリーニング代がかかるの?」
と知るのでは遅いです。
賃貸借契約には、
- 退去時クリーニング
- 鍵交換
- 原状回復
- 敷金からの精算
などについて特約が設けられている場合があります。
国土交通省も、鍵交換費用やルームクリーニング費用などの特約について、契約前に確認することを案内しています。
また、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常使用による損耗と借主側が負担する損耗等の考え方や、契約条件・特約の確認について整理されています。
退去する頃には、数年前に説明された内容を忘れていることもあります。
だから、
入居前に確認して、契約書を保管しておく。
国土交通省も契約書は退去手続きが完了するまで大切に保存するよう案内しています。
元賃貸仲介営業の私が今なら内見・契約前に確認すること
7軒の賃貸住宅に住み、賃貸仲介営業も経験した今なら、最低でも次を確認します。
部屋
- 収納量
- キッチンの作業スペース
- 独立洗面台
- 脱衣所の広さ
- ドアを開けたときの動線
建物・周辺
- 駐車場の実際の空き
- ゴミ捨て場
- 共用部分の状態
- 周辺の音
- 日当たり・暑さ
お金・契約
- 家賃以外の毎月の固定費
- 初期費用の各項目
- 必須サービスかどうか
- 退去時クリーニング等の特約
- 設備の扱いと故障時の対応
物件情報に、
「エアコン付き」「駐車場あり」「バス・トイレ別」
と書いてあるだけでは不十分です。
その条件が、
自分が実際に生活するときどうなるのか
まで見るのが大切だと思います。
賃貸は100%希望通りを探すより「何を譲れるか」も大切
賃貸仲介営業をしていたころ、
「賃貸で100%希望通りの部屋はなかなかない」
という話を聞いたことがあります。
実際、営業をしていても、
- 安い
- 広い
- 新しい
- 駅近
- 設備充実
- 駐車場あり
- ペット可
- 日当たり良好
など、希望を全部満たそうとすると候補はどんどん減ります。
だから、
絶対に譲れない条件
と、
できれば欲しい条件
を分けることが大切です。
私なら例えば、
「風呂とトイレは絶対に別」
は譲りません。
でも、
「築浅じゃなければ絶対ダメ」
までは求めないかもしれません。
人によってこの線引きは違います。
だから「人気条件」を全部付けるのではなく、
自分が毎日ストレスを感じそうなところから優先順位を付ける
のがおすすめです。
まとめ|内見では「部屋」より「生活」を見る
賃貸住宅を7軒経験して思うのは、
内見で部屋を見るだけでは足りない
ということです。
実際に住めば、
- 荷物を収納する
- 料理する
- 顔を洗う
- 着替える
- 車を停める
- ゴミを出す
- 隣人と同じ建物で生活する
- 毎月費用を払う
- 最後には退去する
という生活があります。
だから内見するときも、
「この部屋きれいだな」
だけではなく、
「朝起きてから夜寝るまで、自分がここでどう動くか」
を想像してみてください。
そして契約前には、
物件そのものだけでなく、お金と契約条件も確認する。
これだけでも、
「住んでからこんなはずじゃなかった」
はかなり減らせると思います。
もし賃貸住宅を探しているうちに、
「自分は住まいへの希望条件がかなり多いかもしれない」
「そもそもこのままずっと賃貸でいいのかな」
と思い始めたなら、賃貸と持ち家のどちらが自分に向いているかも一度整理してみてください。
情報確認日:2026年9月2日
制度・契約関係は国土交通省「賃貸住宅の入居・退去に係る留意点」「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」「賃貸住宅標準契約書」を確認。
情報確認日:2026/9/2